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月経前症候群（PMS・PMDD）
月経前症候群（PMS・PMDD）とは
生理前になると「イライラする」「気分が沈んでしまう」「体がだるくなる」「頭痛に悩まされる」――こうした月経前のつらい症状は、月経前症候群（PMS：Premenstrual Syndrome）と呼ばれます。PMSのなかでも、とりわけ精神的不調の程度が重く、日常生活に支障を来たすほどの状態を月経前不快気分障害（PMDD：Premenstrual Dysphoric Disorder）と言います。PMDDでは、怒りっぽく攻撃的になったり、重い抑うつ感から自殺願望が生じたり、自傷行為に走ったりすることもあります。患者様によってはセクシャルハラスメントといっても過言ではないような周囲の心無い言葉に傷ついて来院される方もいらっしゃいます。また、双極性障害などの精神疾患が合併することもあるので注意が必要です。
女性の約8割が経験する月経前症候群
月経前症候群（PMS・PMDD）は、女性の約8割が経験すると言われます。社会の認知度は低く、悩んでいる女性が少なくありません。また、周囲の人も、そのような女性を前にし、戸惑うこともあるでしょう。原因としては、月経に伴うホルモンバランスの変化によるものと考えられています。
月経前症候群の主な症状
身体症状
- 頭痛
- だるい
- 首や肩の凝り
- 立ちくらみやめまい
- 乳房の張りや痛み
- 肌荒れ
- お腹の張り
- 下腹部の痛み
- 下肢のむくみ
- 口内炎 など
精神症状
- イライラ感
- 抑うつ
- 不眠
- 怒りっぽくなる
- 無気力
- 不安
- 緊張
- 集中力や判断力、記憶力の低下
- ネガティブな考え方になる など
月経前症候群の治療
まずは、婦人科で子宮や卵巣に器質的な異常がないか検査してください。それで異常がない場合に心療内科、精神科が治療にあたります。当院ではPMSには漢方薬による治療が一番効果的と考えています。漢方薬で効果が期待できないとき、また他の精神疾患（双極性障害など）が合併している場合に、西洋薬を使用します。